シンギュラリティ実験ノート

購入した1000ドルPCで何がどこまでできるのか実験した記録です。

Numbersは最強の資産管理ソフト

Numbers(ナンバーズ)と言っても宝くじの話ではない。Appleが提供する表計算ソフトのことである。

私は6年前からNumbersで自分の資産を管理するようになった。今回はNumbersが如何に個人の資産管理に適した優れたソフトであるかということを書きたい。

 

 

Numbersが資産管理に適している理由

Numbersは表計算ソフトであり資産管理ソフトではない。しかし株価を取得するSTOCK関数と、ドル円為替レートを取得できるCURRENCY関数がサポートされている。これらの関数を使い資産管理表を作成することはそれほど難しい作業ではない。むしろ自分の要求仕様に合う自分だけの資産管理表を作成できるというメリットがあり、そのメリットが大きい。

 

Numbersが資産管理に適している理由は以下の点になる。

  1. STOCK関数が標準サポートされている
    ・海外および日本の株価取得をサポート
    ・暗号資産(Bitcoinなど)もサポート
  2. CURRENCY関数が標準サポートされている
    ・各国法定通貨間の為替レート取得をサポート
  3. 無償で使用できる
    MaciPadiPhoneに標準でインストールされている

 

少なくとも私が資産管理表を作り始めた6年前(2019年)に株価を取得できる関数をサポートする表計算ソフトはNumbersのみであった。

他の代表的な表計算ソフト、無料アプリについて現状を改めて調べてみた。

  • Execel(有償)
    ・STOCKHISTORY関数が2021年以降にサポート開始
    ・海外および日本の株価、各国法定通貨の為替レートの取得をサポート
    ・暗号資産(Bitcoinなど)はサポートされていない
    ・Microsoft365サブスクリプションの利用者のみが使える
  • Google Spread Sheet(無償)
    ・GOOGLEFINANCE関数で株価取得できるが、米国株限定
  • LibreOffice Calc(無償)
    ・株価取得関数はサポートされていない
  • GnuCash(無償)
    ・フリーの会計ソフト
    PythonスクリプトでYafoo Financeから株価取得可能
    Pythonスクリプトを自分でメンテする必要あり

 

Google Spread Sheetでもマクロ機能などを駆使してスクレイピング(画面から必要な情報を抜き取る方法)をすれば日本の株価も取得できるようだが、資産管理をするためにそこまでしたくないだろう。

Yahoo Financeから株価情報をダウンロードしてグラフ化するPythonスクリプトの実行は私も以前からたまにやっている。しかし半年もするとなんらかの仕様変更で動かなくなることがよくある。その度にライブラリを最新にアップデートしたりPythonスクリプトを修正するのは実に面倒だ。

その点、AppleのNumbersはSTOCK関数、CURRENCY関数が標準でサポートされており安心して使える。これも私がNumbersをお勧めする理由である。

 

使用法サンプル

使用法はごく簡単なので一つだけサンプルを示す。

Apple株を保有しているとして、所有する口数分の資産価値を日本円で求める場合は以下のように行う。

 

セルB2にティッカーコード、セルB3に所有口数、セルB3で株価評価額を日本円で計算している(2025年6月9日現在)。セルB3の内容は以下の通り。

 

私が便利だと思う使用方法

基本的な使用方法を理解すれば、以下のようなことも簡単にできる。なぜなら表計算ソフトだから。

 

  • 分散投資する資産ポートフォリオの日本円での最新比率を計算する
    ・求めた結果を円グラフで表示する
    ・目標とする比率にするために買い足し、または売却が必要なポートフォリオとその金額を計算する
  • 初期投資額と現在の資産価値から運用利率を複利計算で求める
  • 年初からの資産増減をリアルタイムに把握する
    ・資産管理シートをiCloudに置けばiPhoneiPadから簡単にチェックできる

 

おわりに

AppleのNumbersが最強の資産管理ソフトであることが理解いただけただろうか。Appleユーザには既に知られていることかもしれない。しかしネットの情報を検索する限り、NumbersのSTOCK関数が活用されている様子は感じられなかった。意外と知られていないのかと思い記事にまとめてみた。

MacユーザはWindowsユーザに比べると確かに少ない。しかしiPhoneユーザは日本では大多数であると思う。無償で使えるこんな便利な機能が使われていないとすればもったいない話である。

なお老婆心ながら付け加えると、iPhoneでNumbersのシートを新規に作成することは操作性の問題で難しいかもしれない。Numbersではセルの範囲指定などはGUIでの操作になるためだ。そのためMacBookMacBook Airなどマウス(あるいはトラックパッド)が使用できる環境で作成したほうがいいと思う。