シンギュラリティ実験ノート

購入した1000ドルPCで何がどこまでできるのか実験した記録です。

GPT-4oを無料で使ってみた

OpenAIがGPT-4oを発表した。無料アカウントでも機能制限付きで利用可能となっているので試してみた。Webブラウザからアクセスするだけで簡単に試すことができるので興味のある方は是非試してみて欲しい。

アクセス方法

OpenAIのこちらのページのFreeの方の「Start now」ボタンからアクセスできる。

 

 

ボタンを押すとログイン画面が表示される。ログインアカウントとしてGoogleMicrosoftAppleのアカウントが利用できるのでどれかを指定する。ほとんどの人はこのどれかを持っていると思う。私はGoogleアカウントを使った。

モデルの切り替え

ログインした後の表示は日本語になる。ログイン直後のモデルはGPT-3.5になっているようなので、GPT-4oに切り替える。切り替え方は分かりにくいが、こちらのページを参考にして切り替えた。

 

ascii.jp

 

テスト結果

優秀なモデルであることは分かっているので、例によって株価を指数関数でカーブフィッティングするPythonスクリプトの作成を試してみた。

依頼すると一瞬で答えが返ってきた。

(中略)

スクリプトを実行すると標準入力から入力を求められるので’AAPL'と入力すると、以下のグラフ画像が作成された。

評価

仕様書で要求した通りの内容で、修正不要な完璧なコードを返してくれた。グラフ作成の部分まで関数にしてくれたり、グラフの縦横比を10対6に変更したり、メイン関数を定義している辺りを見ると、「Pythonのコーディングはこうするんだよ」と逆にAIに教えてもらっている気がする。

これまで様々なLLMのモデルでこの問題を試してきた。当初(数ヶ月前)の作成結果は100点満点で60〜70点の出来具合だったと思う。最近(約1ヶ月前)になって90点以上の完成度になってきたなと思っていたのだが、今回はもう完璧な内容になっていた。正直この進化の速さは驚きである。

なお、成長率が29.4%とこれまでより高めの数値が出ている点は若干気になって調べてみたが、yfinance関数の呼び出し方によって、同じ月足の株価初値(Open)と指定しても微妙に値が違う結果が返ってくることが原因のようだ。これはGPT-4oの問題ではなく、yfinance関数の問題なのでここでは深く追求しないことにする。

Jan+APIキーによるアクセス

当初はGroqでLlama3を動かした時のように、APIキーを取得してJanからアクセスしようとした。しかし、APIキーの取得はできるのだが、それをJanに設定して実行しても以下のようなエラーとなり実行できなかった。

 

 

「あなたの現在の割当を超えました.プランと請求の詳細を確認してください。」と書かれている。請求や支払い方法等を確認したが、従来の従量制(トークン数毎)のプランが表示されてしまう。とりあえずJanからのアクセスはあきらめた。Webブラウザからも便利にアクセスできるので問題はない。もしGPT-4oの有料プランを使いたい場合は、最初に紹介した画面の「Plus」の月20ドル固定料金プランから申し込んだほうがいいだろう。

有料プランでの動画作成機能

私は無料プランなので試すことができないが、ホリエモンがOpenAIの発表当日に下記の動画をYuoTubeで流している。この動画の中で、最初は本物のホリエモンが喋っているが、後半からGPT-4oが作成した動画のホリエモンが身振り手振りを交えて喋っている。発表された当日にここまで使いこなすホリエモン(おそらくスタッフが作成していると思うが)はさすがだと思う。

 

www.youtube.com

 

「※これはAIです」と画面に書いてあるので判断できるが、書いてなければほとんどの人には区別がつかないレベルだ。動画コメント欄に「ますますホリエモン偽広告の詐欺被害増えるやん😂」というコメントがあった。まさにその通りだと思う。

これは何等かの規制をかける必要があるだろう。AIが作成した人間の動画は「目が5秒毎にピカッと光る」くらいの分かりやすい区別が必要ではないか。そうしなければ頭のいい詐欺師達はすぐにこのAIを使いこなして詐欺動画をSNSに流し始めるだろう。

雑感

私は最近、「月は無慈悲な夜の女王」というSF小説を読み返した。ロバート・A・ハインラインが1965年(今から約60年前)に書いた小説で、その中にもAIが描かれている。地球の植民地としての月に設置された高性能なコンピュータがある日、意思を持つようになる。月に住む主人公らと一緒に地球に対して反乱を起こすのだが、その中でAI(マイク)は電話を通して話すことができるという設定になっていた。さらに、テレビの映像を作成して月世界開放暫定委員会議長として演説する、というシーンがあったのを思い出した。60年前にハインラインが空想した技術が現実になっている訳だ。この本は書評にある通り、誤訳と思われる部分が多くて読みづらいのが難点だ。しかし名作であることは間違いないので読んでいない方には一読することをお勧めする。