シンギュラリティ実験ノート

購入した1000ドルPCで何がどこまでできるのか実験した記録です。

CPUとGPUの性能向上の歴史

CPUとGPUの性能向上の歴史を綴る貴重な記事を見つけたのでメモしておきたい。PC Watchの以下の記事である。

 

 

 

GPUは過去30年間、CPUは過去50年間の性能向上グラフが掲載されている。本ブログにグラフを引用させていただくとともに、該当ページは個人利用のため永久保存させていただくつもりだ。

CPUのMIPS値、GPUのGFLOPS値が表に掲載されているのが有り難い。PC黎明期の頃のCPUは0.5MIPSとなっており、当時を知る私は「1MIPSもなかったんだよな~」と表を眺めながらしばし感慨に浸る。(←大げさか)

 

GPU演算性能の伸び率

グラフはGPUのFP32演算性能(GFLOPS値)をプロットしている。緑の点がNVIDIA製品、赤の点がAMD製品である。

 

 

このグラフから性能が10倍になるのに要する期間を概算で求めることができる。1994年で 10^{-1}、2024年で 10^{5}となっていることから、性能が10倍になる期間は

(2024-1994) \div 6 =5.0

5年で10倍という結果が求まる。この結果は下記の記事で紹介した結果ともほぼ一致する。

 

 

CPU演算性能の伸び率

こちらのグラフは、CPUの複数のベンチマーク結果の相乗平均(相対性能)をプロットしている。

 

 

性能が10倍になる期間を同様に計算してみる。1973年で 10^{0}、2024年で 10^{8}となっていることから

(2024-1973) \div 8 =6.375

6.4年で10倍という結果になる。

 

まとめ

CPUの性能の伸び率は直近の10年では鈍化傾向が見られるが、その部分をGPUの性能の伸び率が補うことで、演算装置の性能は5年で10倍というペースを維持してきた。GPUの性能伸び率もこの先鈍化する可能性はあるが、新たな技術により演算装置の性能向上のペースは維持されていくはずだ。そしてこの性能向上はAIの賢さの伸び率にも直結する。5年後には今よりも10倍賢いAIが存在すると考えても全く不思議ではない。